腸内環境を整えるのに効果的とされている乳酸菌の種類は250種以上もあるといわれています。
それぞれの種類によって期待できる効能が違うこともあり、乳酸菌を多く含むヨーグルトやサプリなどは乳酸菌の種類の名前を全面に押し出して売られていることも少なくありません。
それほどまでに、乳酸菌の種類による効能の違いは重要だと言えます。
今回は数ある乳酸菌の中からいくつかの種類を効能ごとにピックアップし、ご紹介します。
乳酸菌は自分の目的にあった効能で選ぶのが一番効果的なので、あなたに合った乳酸菌を探してみましょう!
乳酸菌の種類と期待できる効能とは
乳酸菌という言葉は日常よく耳にすることがありますが、その働きについては詳しく知らない人もいるかもしれません。
ということで、まずは乳酸菌の働きについて確認します。
乳酸菌とは?
乳酸菌は有用とされている細菌の一種で、腸内に入ると善玉菌として腸内環境を整える働きがあります。
腸内には善玉菌の他に悪玉菌や日和見菌も常在していて、悪玉菌が優勢になると便秘や下痢を引き起こしたり、有害物質を作りだして慢性的な体調不良を引き起こします。(ひどい場合はガンの原因にもなるそう!)
悪玉菌はお肉や脂っこいものを摂りすぎると増えやすく、年齢を重ねると共に増えていく特徴もあります。
悪玉菌が増え過ぎるのを抑制し善玉菌優勢の状態を保って腸内の細菌バランスを整えることは、健康的な生活を送る上で欠かせない条件なのです。
その上で乳酸菌の種類ごとに得意分野があることも知っておくと、より効率的に取り入れることができますよね。
ヨーグルトやサプリに含まれていることの多い乳酸菌の種類の中から、期待できる効能ごとに並べてみました。
- 便秘解消
- 潰瘍性大腸炎の改善
- 免疫力アップ
- アレルギー改善
- コレステロールを下げる
では、それぞれの効能ごとに見ていきましょう。
便秘解消に役立つ乳酸菌
女性の中で悩んでいる人も多い便秘を解消するのに役立つ乳酸菌には、このようなものがあります。
- SBT2928株(ビフィズス菌SP株)
- SBT2055株(ガゼリ菌SP株)
- ブルガリア菌2038株
- BB536株
- シロタ株
- N-1株
特にN-1株はいろいろなメーカーのヨーグルトに含まれているので、探しやすいと思います。
便秘解消はダイエットや肌荒れ予防にもつながります。
潰瘍(かいよう)性大腸炎の改善に役立つ乳酸菌
効果的な治療法が見つかっていないために厚生労働省から難病と指定されている潰瘍性大腸炎に対して、予防や改善を期待できる乳酸菌があります。
- プレーペ・ヤクルト菌
- BB536株
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜が炎症を起こすため、症状としては下痢や血便が出たり、激しい腹痛が起きたりします。
この状態が続いたり炎症が進行すると、腸管合併症を引き起こしたり、最悪の場合は大腸ガンにまで発展します。
症状を抑えるには薬物治療をしたり手術が必要になる場合もありますが、上記の乳酸菌にも潰瘍性大腸炎に役立つといわれています。
ヨーグルトやサプリは日常的に手軽に取り入れられると思いますので、試してみる価値がありそうです。
免疫力アップに役立つ乳酸菌
免疫力を高める効能が期待出来るのは、こちらの種類です。
- クレモリスFC株
- SBT2928株(ビフィズス菌SP株)
- SBT2055株(ガゼリ菌SP株)
- シロタ株
- BB536株
- Bb-12株
免疫力を高めることで、風邪やインフルエンザ、食中毒などの感染症予防につながります。
健康管理の基本として取り入れたい種類の乳酸菌ですね!
アレルギー改善に役立つ乳酸菌
続いてアレルギー改善です。
- L-55株
- LGG株
- GCL1176株
- KW3110株
- K-2株
花粉症の予防や改善、アトピー性皮膚炎の改善に効果が期待出来るとされています。
アレルギー症状に困っている人は、症状が少しでも軽くなれば嬉しいですよね。
乳酸菌は人それぞれに相性もあるので絶対に効くとは言えませんが、体の反応を見ながら気長に試してみましょう。
コレステロール値を下げるのに役立つ乳酸菌
最後にコレステロール値を下げるはたらきが期待されている乳酸菌です。
- クレモリスFC株
- SBT2055株(ガゼリ菌SP株)
- N-1株
コレステロール値を下げる乳酸菌は、ダイエットをしている人には特に心強いサポーターになってくれそうですね。
そもそも乳酸菌全般には、血中コレステロール値を下げるという効能が確認されています。
コレステロール値が気になる人は、特に上記の種類の乳酸菌を探してみましょう。
ビフィズス菌は乳酸菌と違う?効能の違いは?
ところで、ヨーグルトのパッケージを見て「ビフィズス菌って乳酸菌?」「ビフィズス菌と乳酸菌、どっちが良いの?」などと疑問を持ったことはありませんか?
実は乳酸菌とビフィズス菌は、専門家の中でも「ビフィズス菌は乳酸菌の一種」だとする説と「ビフィズス菌と乳酸菌は違う」とする説があります。
働き自体はかなり共通していますが、主に住んでいる場所が乳酸菌は小腸、ビフィズス菌は大腸なのだそう。
乳酸菌は酸素の有無に関係なく生息できるため小腸に住むことができますが、ビフィズス菌は酸素に弱いため酸素のない大腸に多く住んでいます。
よって乳酸菌もビフィズス菌もそれぞれに必要だとわかりますね!
目的の効能からあなたに合った乳酸菌を選ぼう
市販されているヨーグルトやサプリなどには、パッケージに乳酸菌の種類の名前(「○○株」など)が書かれていることが多いため、目的の効能に合った乳酸菌を選べます。
たとえば便秘解消やアレルギー改善など特に得たい効能があるならば、その効能を持つ乳酸菌が含まれるものを探しましょう。
また、乳酸菌を摂取するだけでなく、乳酸菌を増やしたり活発にさせたりするのに効果的なオリゴ糖や食物繊維も合わせて摂取するとより効果が期待できます。
それぞれに多く含まれている食品を多く摂るのでも良いですし、すでに乳酸菌とオリゴ糖・食物繊維が両方含まれているサプリ(シンバイオティクスサプリ)もあります。
ちなみに、乳酸菌の種類ごとに効能の違いはありますが、人それぞれの腸内との相性もあります。
相性によってはあまり効能が発揮されないこともありますので、自分の体とよく相談しながら、まずは続けてみてください。